1日に数千~数万人の来館者数を集める力(駅と同等レベルに人が集まる)
その館内にクリニックは一つという競合の少なさ
診療曜日(日曜日・祝日に営業しなければいけない施設もある※絶対ではありません)
診療時間(館内の営業ルールにより、任意の時間に設定できないケースもある)
出店時の初期費用が大きい
施工工事が指定業者である可能性がある(相場より工事費用がかかります)
費用面でのデメリットについては、開業後の集患力で十分に解決可能です。診療日・診療時間については、出店時に条件を確認し、納得の上で出店を決定しましょう。
物件選定の期間は長ければ長い程、良い物件に巡り会える可能性が高まります。
新築物件であれば、建物が完成する時期により、既存物件であれば、現テナントの退店時期により、出店可能な時期が様々です。物件側の都合はこちらでコントロールできないからこそ、なるべく早めに開業希望エリアを設定し、物件情報の網を張っておく必要があります。
また、良い物件は、コンビニ、飲食店等の他業種店舗も出店を狙っています。予め設定した開業希望エリア内で、良い物件が出てきた際には、迅速に出店申込をかける必要があります。決断が遅れてしまった為、良い物件を逃してしまった例も数多く見てきました。
※出店申込にも様々な形があり、申込時点で支払が確定してしまうケースもあれば、申込時点はあくまで出店交渉のスタートという位置づけで、出店条件次第では、支払なく撤退できるケースもあります。「この出店申込は撤退可能なのか?」を見極めて判断していくことが大切です。
6~8ヵ月程の期間が必要です。内装の設計プランは先生の検討期間次第で1~3ヵ月程バラつきがあります。
その後、内装工事の期間は物件毎に「内装の作り込みの量」「夜間工事しかできない」等の制約条件により、テナント開業で40日~70日程の期間がかかります。内装が完成した後、医療機器の搬入、保健所や厚生局への届出にも期間を用します。
また、同時並行で「診察券等の印刷物の準備」「HPの作成」等も進めていきます。開業を支援してくださる方にスケジュール表を作成して貰うと全体の流れが見えて安心です。
院長のお住まいによっても、開業希望エリアに制限があります。通勤に1時間半かけて、医院を経営するのは得策ではありません。日々の診療を無理なく続けられるような通勤スタイルを検討し、開業希望エリアを設定してください。
また持家の場合は、開業地に応じてお住まいを変えることは難しいですが、賃貸にお住まいの場合は、開業場所に応じて、引っ越しをすることも可能です。
購入を検討している段階であれば、開業前に購入することはおススメしません。開業時の融資の際に、個人の住宅ローンの借り入れが余りにも大きいと融資条件に影響する可能性があるからです。
また、購入場所によっては、開業場所にも縛りが出る可能性がありますので、好条件の物件を逃してしまう可能性もあります。では、既に購入していた場合について、融資が受けられないのか?と言えば、そうではありません。住宅ローンは住宅購入の為という目的がハッキリとした債務です。その点については銀行も十分に理解を示して頂けます。
開業場所が決まった後は、①物件の出店条件の交渉 ②融資の交渉 ③内装工事、導入する医療機器の検討 を同時並行で進めていきます。
重要なポイントは大きく分けて2つです。1つは「月額の賃料(家賃)」。毎月かかる費用なので、少しでも安く合意できるに越したことはありません。物件のオーナーの考え方、競合する出店希望者の有無等を検討した上で、こちらの希望条件を伝えます。
開院後もお世話になる以上、紳士的に対応する姿勢もとても大事です。
開院までの準備期間中の賃料は無料にしてほしい。
開院後1年間の賃料を〇円だけ下げてほしい。2年目以降は募集額通り。
もう1つは「出店の初期費用」。毎月かかる費用程のインパクトが出ない場合もありますが、開院時の総投資額を抑える為に、こちらも重要なポイントです。
オーナーの考え方により賃料の3~12ヵ月といった敷金が設定されます。
住宅賃貸時の敷金は1,2か月が一般的なので、一見「多い」と感じます。
しかし、オーナーにとっては業種によって異なる内装を施す為、万一退店の際に原状回復(募集時の状態、内装が無い状態に戻すこと)ができないとなった際のリスク回避の意味合いもあります。その点を理解した上で、他業種と比べて、医業は倒産率が低いこと、長期に渡り事業継続する可能性が高いことを説明し、通常の設定よりも下げて頂くよう交渉します。